「最終目的地」

「The City of Your Final Destination」 2009 USA
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オマーはアメリカ、コロラド州の大学で文学を教える大学院生。ある日、ある作家の伝記を執筆する ため単身南米ウルグアイへと向かう。人里離れた広大なる土地に建つ古い屋敷は朽ち果てかけ、遺族たちは時が止まったかのように静かに暮らしていた。オマーを迎えてくれたのは作家の愛人アーデンとその娘。そしてそこには作家の妻キャロラインと、作家の兄アダムとそのパートナー、ピートが共に暮らしていた…
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オマー・ラザギ(若き伝記作家)に「ミラル/2010」のオマー・メトワリー。
アダム(作家の兄)に「羊たちの沈黙/1990」」「日の名残り/1993」「プルーフ・オブ・マイ・ライフ/2005」「ウルフマン/2010」のアンソニー・ホプキンス。
キャロライン(作家の妻)に「アメリカを売った男/2007」「私がクマにキレた理由(わけ)/2007」のローラ・リニー。
アーデン(作家の愛人)に「メランコリア/2011」のシャルロット・ゲンズブール。
ピート(アダムのパートナー)に「上海の伯爵夫人/2005」の真田広之。
オマーの恋人ディアドリに「愛を読むひと/2008」「セントアンナの奇跡/2008」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」のアレクサンドラ・マリア・ララ。
監督は「日の名残り」「上海の伯爵夫人」のジェームズ・アイヴォリー。
原作はピーター・キャメロンの“最終目的地”。

舞台は南米ウルグアイながらロケ地はアルゼンチンのブエノスアイレスとカナダのモントリオール。
人里離れた広大なる地に建つ邸宅は朽ち果てるほど古いが、それぞれの部屋にある家具や調度品はかなりオシャレ。キャロラインの着るワードローブもスゴくセンスが良い。
凛とした雰囲気で美しいキャロラインはもう決して若くない。若くてハンサムな青年オマーに対するアーデンの振る舞いはキャロラインから見れば媚びているように映る。そしてアーデンを非難するキャロライン。それは女の嫉妬意外の何ものでもない。やがてさりげく火花を飛ばす二人の女。二人の女と共に暮らす二人の男…アダムは作家の兄で、ピートは彼の25年来のパートナー。妻と愛人、ゲイのカップルと幼い娘が暮す屋敷にある日、突然やって来たオマー。見知らぬオマーの出現により住人の日常が少しずつ変化して行くさまが素晴らしかった。
ラストは読めたが、とても、とても素敵で美しいラストだった。あのような素敵なラストって中々お目にかかれない。

ジェームズ・アイヴォリーは大好きな監督なので、今までにたくさんの作品を観て来た。アイヴォリーと言えば、上に書いた他今月リヴァイバル上映される「眺めの良い部屋/1986」、ヒュー・グラントの出世作「モーリス/1987」、既にお亡くなりになったポール・ニューマンの「ミスター&ミセス・ブリッジ/1990」、アンソニー・ホプキンスの「ハワーズ・エンド/1992」、ユマ・サーマンの「金色の嘘/2000」などが印象に残る。

映画の出演陣がナイスだ。ローラ・リニー、シャルロット・ゲンズブール、そしてオマー・メトワリー。アンソニー・ホプキンスはどうも顔が苦手なのだが、良い俳優だと思う。邦画は観ないが、こういったところでお目にかかれる日本人俳優真田広之も好演している。
シャルロットは美人ではないが何か惹き付ける魅力を持った素晴らしい女優。本作ではう〜んと若い役(聞き違いでなければ、20代とか言っていた…)を演じているので、若い女の子が着るようなファッションに身を包んでいる。ひらひらのワンピースにブーツ(いわゆるゴム長)の組み合わせは少々変だが、彼女が着ると様になるのだ。さすがファッションの国フランスの女優。オマーと一緒にゴンドラに乗るアーデンはとてもキュートだった。「アンチクライスト/2009」での大胆極まるシャルロットと同じ人だとは、この方スゴい!女優。
ローラ・リニーはお気に入り女優の一人。彼女を知ったのはリチャード・ギア主演の「真実の行方/1996」。知的な美しさを醸し出すローラは役柄にぴったりだったと記憶する。その後、「トゥルーマン・ショー/1998」「「ライフ・オブ・デビッドゲイル/2003」「ルイーズに訪れた恋は/2004」「イカとクジラ/2005」などなど。どの作品も素晴らしかった。
本作でのアンニュイな雰囲気のアル中の孤独な女性役はパーフェクト。
ドイツとエジプトの血を引くオマー・ラザギをお気に入り俳優に入れたいのと、新潮社刊の原作翻訳小説を読んでみたくなった。

“匂い立つような映画のエレガンス”とコメントしたニューヨーク・オヴザーヴァー紙。いや正にその通り。
映画全体がそうなのだが、ローラ&シャルロット二人の女優に“匂い立つエレガンス”を感じた。

シネマート新宿にて
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by margot2005 | 2012-10-17 22:46 | MINI THEATER | Trackback(5) | Comments(0)
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