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「ソハの地下水道」

「In Darkness」2011 ポーランド/ドイツ/カナダ
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知らないポーランド人とドイツ人俳優の中で「アイガー北壁/2008」のベンノ・フュルマンが出演している。
そしてもう一人…多分彼女だろうな??でも随分と太ったものだと思いながら見ていたソハの妻ヴァンダ役の女優。で、やはりイエジー·スコリモフスキの「アンナと過ごした4日間/2008」のキンガ・プレイスだった。
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レオポルド・ソハにロベルト・ヴィエツキーヴィッチ。
ムンデク・マルグリエスに「プリンセス・アンド・ウォリアー/2000」「美しき家、わたしのイタリア/2003」「戦場のアリア/2006」のベンノ・フュルマン。
ヴァンダ・ソハにキンガ・プレイス。
クララ・ケラーにアグニェシュカ・グロホウスカ。
パウリナ・ヒゲルにマリア・シュラーダー。
イグナツィ・ヒゲルに「ラン・ローラ・ラン/1998」のヘルバート・クナウプ。
監督は「秘密の花園/1993」「太陽と月に背いて/1995」「敬愛なるベートーヴェン/2006」のアグニェシュカ・ホランド。
原作はロバート・マーシャルの“ソハの地下水道”。

1943年、ナチス占領下のポーランド。ソハは下水修理の仕事の合間空き巣をして日々の糧を稼いでいる。ある日、収容所行きを逃れようと、家の床から地下水道に繋がる穴を作っているユダヤ人たちを発見する。ナチスに彼らを売り渡せば報奨金をもらえることは解っている。しかし狡猾なソハは金をせしめようと考え、地下に匿ってやると持ちかける…

実際に起きた出来事をベースに描かれているそう。エンド・クレジットの前に“終戦後ソハは連合軍の車に轢かれそうになった娘を助けたことにより亡くなった。”と説明される。そして近隣者は“ユダヤ人を匿ったため罰が当たった。”と言ったという。

うだつの上がらない中年男のソハは最初は金が目的でユダヤ人を助けたのだ。ユダヤ人を匿うことは罪だから“そのうち捕まるよ!”と妻に呆れられ、罪なき若き同僚も処刑される。知人であるウクライナ人将校はユダヤ人狩りに夢中であったが、ソハの怪しい行動を不審に思い一緒に地下水道へと入って行く。しかしソハはユダヤ人を守り抜くのだった。
始めは金目当てだった行動がだんだん人道的になって行く。ソハは“ユダヤ人だって生きる権利がある。”と感じたのだろう。狡猾で卑しいソハが善人に変わって行く姿が良い。
ラスト、地下水道からから出て来るユダヤ人たちにケーキや飲み物を振るまい、妻ヴァンダを紹介しするソハは最高にご機嫌だった。今思い出してもあのシーンはとても良かったな。
ソハを演じるロベルト・ヴィエツキーヴィッチはポーランドでは有名な俳優とか。

正確には覚えてないがユダヤ人は確か1年以上地下水道で生活をしていたという。原タイトルが示すように“暗闇の中”で子供も含め生き残った彼らの気骨にスゴいものがあると感嘆、ただ感嘆あるのみ。

昨今、ナチスによるホロコーストものが多いような気がする。
少し前wowowで、もちろん未公開作品で、ハンガリーのユダヤ人を描いた「フェイトレス 〜運命ではなく/2005」という映画を観た。ラストに“007”のダニエル・クレイグが連合軍の兵士役で2シーンほど出演していた。まぁダニエルはともかく、主人公は10代のユダヤの少年で、過酷な運命に耐えぬいた健気な姿がとてもとても印象的だった。

TOHOシネマズ・日比谷シャンテにて
by margot2005 | 2012-10-08 00:19 | ヨーロッパ | Comments(0)