「ジョルダーニ家の人々」

「Le cose che restano」…aka「Longlasting Youth」 2010 イタリア/フランス
a0051234_23381527.jpg

長男アンドレアに「最後のキス/2001」「007/カジノ・ロワイヤル/2006」「赤い肌の大地/2008」のクラウディオ・サンタマリア。
長女ノラにパオラ・コルテレージ。
次男ニーノに「ストーン・カウンシル/2005」「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い/2009」のロレンツォ・バルドゥッチ。
三男ロレンツォに「ヘヴン/2002」のアレッサンドロ・スペルドゥティ。
父親ピエトロに「対角に土星/2007」「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のエンニオ・ファンタスティキーニ。
母親アニタにダニエラ・ジョルダーノ。
シャーバに「ダニエラという女/2005」のファリダ・ラウアジ。
シャーバの娘アリナに「パリ、ジュテーム/2006」のレイラ・ベクティ。
ノラの夫アルベルトにマウリーリオ・レト。
アンドレアのパートナー、ミシェルに「ヒア アフター/2010」のティエリー・ヌーヴイック。
ニコライ教授に「噂のモーガン夫妻/2009」のヴィンチェンツォ・アマート。
ニコライの妻フランチェスカにアントニア・リスコヴァ。
カタルド刑事に「シチリア!シチリア!/2009」のフランチェスコ・シャンナ。
監督はジャンルカ・マリア・タヴァレッリ。
脚本は「輝ける青春/2003」「家の鍵/2004」「13才の夏に僕は生まれた/2005」「湖のほとりで/2007」のサンドロ・ペトラリア&ステファノ・ルッリ。
a0051234_2339663.jpg
a0051234_23385355.jpg
a0051234_23384450.jpg
a0051234_23383648.jpg

イタリア、ローマ。ある日、外務省で忙しく働く長男アンドレアが実家に戻って来る知らせが入る。家族は彼に会えることを楽しみにしていた。特に母親アニタは長男アンドレアに会うのが待ちきれずそわそわと落ち着かない。やがて父親ピエトロ、次男の大学生ニーノ、三男の高校生ロレンツォ、そして精神科医で身重の長女ノラと彼女の夫アルベルトも加わりアンドレアを向えるのだった。
そしてその日の午後、ニーノは父親の浮気現場を目撃する。ショックを受けた彼は母親に知らせねば、と彼女を探しだすが面と向かうと告げることが出来す口を閉ざしてしまう。
家族での宴もたけなわの頃三男ロレンツォが兄弟にからかわれながらガール・フレンドの家に泊まりに行く。そして次の日、ロレンツォは家に戻る途中車で事故を起こし帰らぬ人となる...

最愛の息子ロレンツォを亡くした母親アニタは葬儀にも出席せず家に閉じこもってしまう。おかしな行動を取り、人を避けるようになったアニタは“一人になりたい!”と言って施設に入ってしまう。
アンドレアは家族に自身がゲイであることを隠していたが、運命的に出会ったミシェルと共に暮らすようになる。
ニーノは父親の浮気に腹を立て“もう金はいらない!”と言い捨て家を出てしまう。卒業間近の彼はニコライ教授に教えを受けるようになるが、あろうことか彼の妻フランチェスカに恋をしてしまう。
ある時、アンドレアを訪ねたニーノは、兄から“なぜいつまでも結婚しないかわっかただろう!”といいながらゲイであることを聞かされる。その後不法移民のシャーバと出会ったニーノは、兄が外務省に務めているのを承知の上彼女を助けるべく奔走する。

3人の姉弟が主人公ながら、主軸はニーノ。彼は父親との確執、母親を愛してはいるが彼女に会いに施設に行くことが出来ない。ラスト近く姉の説得で再会を果たすが、施設にいる母親の姿を見るのは身を切られるように辛かったに違いない。
兄とはつかず離れずの親愛を示し、シャーバに対する親愛も半端ではない。そして、結ばれることのない恩師の妻フランチェスカへの恋慕が苦しくてならない。
演じるロレンツォ・バルドゥッチは役柄にぴったりだ。自分を犠牲にすることもいとわず、自らの感情も抑え、ネガティヴ系の男を好演している。

「輝ける青春/2003」に続く3部作の最終章と位置づけられた作品だそう。イタリアではTVミニシリーズで放送されたものを399分一挙上映。上映の13:40〜21:15の間に3回休憩があった。観たのは8月初めのウイークディ。観客はほぼ中高年で想像以上に入っていた。

長男役のクラウディオ・サンタマリアと次男のロレンツォ・バルドゥッチ、そして父親ピエトロを演じたエンニオ・ファンタスティキーニ以外は良く知らないイタリア人俳優、ロレンツォ・バルドゥッチは最初誰か思い出せず、途中で「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」のロレンツォ・ダ・ポンテ役だったことを思い出した。彼はマジでキュート。
昨今、移民問題を抱えているイタリア…本作でも中東からやって来た不法移民シャーバと、その娘アリナの姿がある。ふとしたことからニーノはシャーバに手を差し伸べ、カタルド刑事は助けたアリナに恋をしてしまう。ちょっとあり得ない展開だが映画だから許してしまった。

家族の崩壊は三男ロレンツォの死から始まる。
母親アニタは元医師で、次男が生まれた後職を辞している。その決断はきっと心残りだったに違いない。そして夫の浮気。口には出さないが彼女はそれに気づいていた。
ノラは精神科医として成功し、優しい夫と子供ににも恵まれ、何不自由ない生活を送っているように見えるが、ある日、夫を愛していないことに気づく。
アンドレアのパートナー、ミシェルは不治の病に冒され余命いくばくもない。ニーノはニーノで不倫の恋に悩む日々。皆問題を抱えていたのだ。

これは家族の再生物語ではない。“そしてふたたび 大きな愛につつまれる…”とあるように今まで家族だった一部の人が去り、新たに加わった人々との間で新しい愛につつまれるのだ。全体的にスゴく見応えのあるドラマで素晴らしかった。
映画解説に“大家族を描いた大河小説を読むように…”ともあった。次はどのような展開になるのか気が気でならない6時間39分はあっと言う間だった。
ローマが舞台なのでテヴェレ川やコロッセオ、フォロ・ロマーノや、遠方に見えるヴァティカンとサンタンジェロ城etc.それらの景色を見てまたまたローマに行きたくなった。

神保町 岩波ホールにて(9/14まで上映)
[PR]
by margot2005 | 2012-08-30 00:05 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)
トラックバックURL : http://margot2005.exblog.jp/tb/16060766
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from プロフェッサー・オカピー.. at 2014-02-22 10:19
タイトル : 映画評「ジョルダーニ家の人々」
☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2010年イタリア=フランス合作映画 監督ジャンルカ・マリア・タヴァレッリ ネタバレあり... more
<< 「プロメテウス」 「テイク・ディス・ワルツ」 >>