「あの日 あの時 愛の記憶」

「Die verlorene Zeit」…aka「Remembrance」 ドイツ 2011
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ハンナ・ジルベルシュタイン(1944)にアリス・ドワイヤー。
ハンナ・レヴィーン(1976)にダグマー・マンツェル。
トマシュ・リマノフスキ(1944)にマテウス・ダミエッキ。
トマシュの母親ステファニア・リマノフスカに「白いリボン/2009」のスザンヌ・ロタール。
ハンナの夫ダニエル・レヴィーンに「バーン・アフター・リーディング/2008」のデヴィッド・ラッシュ。
トマシュ・リマノフスキ(1976)にレヒ・マツキェヴィッチュ。
トマシュの兄にアドリアン・トポル。
義姉マグダレナにヨアンナ・クーリグ。
ハンナの娘レベッカにシャンタル・ヴァンサンテン。
ナチス将校ハンス・ヴォン・アイデムに「アイガー北壁/2008」」 「ワン・ディ・イン・ヨーロッパ/2008」のフロリアン・ルーカス。
監督はアンナ・ジャスティス。
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1976年、ニューヨーク、ブルックリン。ハンナはユダヤ人でドイツからアメリカに渡り結婚、優しい夫と娘と共に幸せな日々を送っていた。ある日、自宅で催すパーティで使うためのテーブルクロスをクリーニング店に取りに行く。そこでハンナはTVから聞こえる懐かしい声に耳を傾ける。TVの画面に映っていたのはかつての恋人トマシュの姿だった。ハンナは終戦後、赤十字社にトマシュ探しを依頼したが、彼の消息はつかめなかった。やはりトマシュは死んだのだと自分に言い聞かせて生きて来たのに…。
クリーニング店から戻り、突然生きているトマシュの姿を見、茫然自失となったハンナは自室に閉じこもり赤十字社に電話をかけるのだった...

1944年、ポーランド。トマシュはアウシュヴィッツ強制収容所に政治犯として収容されていた。ハンナはもちろんユダヤ人だからと言う理由で…。二人は収容所で出会い恋に落ちる。レジスタンス活動をする政治犯のトマシュには収容所内の実態を映したネガフィルムを持ち出すという任務があった。ある日、脱走計画を実行に移す行動に出たトマシュは、危険を伴うことを承知の上ハンナを一緒に連れて行く決意をする。やがて脱走に成功した二人は道中の困難を乗り越えトマシュの実家へたどり着く。彼は母親とも再会ししばしの安らぎを満喫する。しかしハンナを自分のフィアンセと紹介すると母親の態度が変わり始める。彼女はユダヤ人に対し大きな偏見を持っていた。
ハンナはある時、高熱を出し倒れる。なす術のないトマシュは母親に助けを求める。そしてリマノフスキ家にはナチスの将校が厳しい目を光らせていた...

涙と感動の物語、おまけに実話だそう。舞台はポー ランドとNY、ブルックリン。アウシュヴィッツ強制収容所で恋に落ちたユダヤ人ハンナと、レジスタン ス活動をするポーランド人トマシュ。戦争によて引き裂かれた恋は星の数ほどあるだろうが、またまた哀しいLOVE STORYを知ってしまった。

レジスタンス活動をするトマシュは兄夫婦の家にハンナを残し地下組織へ身を潜める。ハンナは来る日も来る日もトマシュの帰りを待ちわびるが戻って来ない。そしてある日、ソ連軍がやって来る。レジスタンスに関わっていた兄夫婦は捕らえられ、一時期長男の家に身を寄せていた彼らの母親と二人取り残されてしまう。ユダヤ人であるがゆえに嫌われていたハンナはとうとう家を出る決心をする。

ハンナが出て行った後トマシュが戻って来るが、母親はハンナは死んだと言い切る。
母親ステファニアは長男も次男もレジスタンスに関わり、長男の妻に“何もかもあなたのせいよ!”となじり、次男が心から愛するハンナをフィアンセとは決して認めない。この母親の気持なんとなく理解出来る。このような境遇には決して身を置かれないのでなんとも言えないが、息子を持つ同じ母親として彼女の気持ちは辛いほど理解出来る。それもこれも戦争のせいだけど…。

ラスト、ハンナはトマシュに会いにポーランドへ行く。トマシュが住む町でバスを降りるハンナ。バスから降りて来るハンナを探すトマシュ。そして互いを見つめ合う所でストップ・モーションとなりエンド・クレジットが始まった。
ハンナは戦後トマシュ探しをした。ところがトマシュは母親からハンナが死んだと知らされていたため、それを信じて疑わなかったと思う。赤十字社の努力でトマシュがポーランドに住んでいることが分かったハンナは彼に電話をかける。その時のトマシュの驚きは如何ばかりだっただろう?
かつて愛した人と32年ぶりに会うってどんな心境?エンディングで二人の会話をカットしたのは素敵な展開だった。実話なので二人は実際に再会し、会話したはず。そしてその後二人はどのように感じたのか知りたい気もしたが想像に任せることにした。
シアターで予告を何度も観て、某新聞映画評もサラっと見ていた。見終わって想像以上の感動を覚えた。

銀座テアトルシネマにて
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by margot2005 | 2012-08-19 00:26 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(2)
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Tracked from 象のロケット at 2012-08-24 07:10
タイトル : あの日 あの時 愛の記憶
1976年。 夫と娘と共にニューヨークで暮らす女性ハンナは、テレビで偶然、戦争中に死亡したはずの男トマシュの姿を目にする。 …1944年。 ポーランドのアウシュヴィッツ収容所で出会った、政治犯のポーランド人青年トマシュとユダヤ人少女ハンナは恋に落ちる。 レジスタンス仲間に収容所の実態を写したフィルムのネガを届けようとしていたトマシュは、ハンナを連れて脱走しようとするのだが…。 戦争ヒューマンドラマ。  ... more
Tracked from soramove at 2012-09-04 07:11
タイトル : 映画「あの日 あの時 愛の記憶」ちょっとこのタイトルは長..
「あの日 あの時 愛の記憶」★★★☆ アリス・ドワイヤー、マテウス・ダミエッキ、 ダグマー・マンツェル、シャンテル・ヴァンサンテン、 デヴィッド・ラッシュ出演 アンナ・ジャスティス監督、 107分、2012年8月4日(公開) 2011,ドイツ, (原題/原作:DIE VERLORENE ZEIT ) <リンク:人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「このところ名演小劇場で 立て続けに3本見ている この劇場は駅からちょっと離れているが 良質...... more
Tracked from 映画的・絵画的・音楽的 at 2012-09-04 07:47
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Tracked from ここなつ映画レビュー at 2012-11-22 09:49
タイトル : あの日 あの時 愛の記憶
実話を元にしたした作品。…こんなことが実際にあった、なんて、「黄色い星の子供たち」の時にも思ったけれど、「とても信じられない」という凡庸な表現しかできません。 ドイツ軍の監視下にあるポーランド強制収容所で出会った-人間の尊厳を保つことも生き残ることも困難だった、あの有名な強制収容所で出会った-ハンナとトマシュ。二人は恋に落ち、命がけで収容所を逃げ出し、命がけでトマシュの故郷へ戻る。しかし、ある使命を帯びたトマシュが異国まで旅立っている間に、いくつかの悲劇的な出来事が故郷を襲い、待ち続けたハン...... more
Tracked from 虎猫の気まぐれシネマ日記 at 2013-03-13 22:10
タイトル : あの日あの時愛の記憶
いとしい声が,私を呼んだ・・・・ ポーランドの強制収容所内で恋に落ち,一緒に脱獄を果たしたものの,その後生き別れとなった恋人たちが,30年以上もたって奇跡の再会をする物語。邦題はもっとヒネリが欲しいところだけれど,これは驚愕のホロコースト実話ものであり,そして切ないラブストーリーでもある・・・・DV... more
Commented by なな at 2013-03-13 22:09 x
すっかりご無沙汰しております。お元気ですか?

DVDで観ました。ドイツのナチスものは秀逸なので
もれなくレンタルすることにしているのですが
これはとっても好きな作品のひとつになりそうです。
実話というのがまた感動をよびますね。
生き別れた歳月を思うとき,再会できてそりゃよかったには違いないけど
やっぱり切ないというかやりきれない思いもあったと思います。
だって互いにあんなに愛し合っていて命懸けの体験もしたから
いくら現在が幸せでも,あのとき生き別れないでいたら・・・って
後悔の思いに涙するでしょうね。
いろいろと余韻に浸れる作品でした。
Commented by margot2005 at 2013-03-17 23:54
ななさん、こんばんは。コメントありがとう。
こちらこそ久しぶりであります。元気でやっております。お気遣いありがとう!

この作品は素晴らしかったですね。昨年のMYBESTに入れた一作です。

>ドイツのナチスものは秀逸...そうかもですね。当事者が作っているのですから臨場感あるのは当然のことでしょう。
あの別れは本当に切なかったです。二人はもっと早くに再会すべきだったと思いますが、それもこれも戦争のせいですね。ほんと哀しいことです。
ななさんのブログを見て今一度見たくなってきました。
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