「少年は残酷な弓を射る」

「We Need to Talk About Kevin」2011 UK/USA
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エヴァに「フィクサー/2007」「倫敦(ロンドン)から来た男/2007」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「バーン・アフター・リーディング/2008」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」のティルダ・スウィントン。
フランクリンに「おとなのけんか/2011」のジョン・C・ライリー。
ケヴィンにエズラ・ミラー。
監督、脚本は「モーヴァン/2002」のリン・ラムジー。
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自分が生んだ息子が憎い母親っているのだろうか?いやひょっとしたらいるのかも知れない…でもこの母親は彼が憎いワケではない。息子の方が母親を憎んでいる(嫌っている)のだ。父親は好きなのだけど…
ケヴィンは母親にもっと愛してもらいたかったに違いない。観ていてスクリーンから伝わって来る母親と息子の関係はかなりシラけている。LOVEは全く感じられない。幼いながらもきっとケヴィンは自分に対する母親の冷たさを感じていたのだろう。父親は優しいのに...と感じていたはず。

原タイトル“We Need to Talk About Kevin/我々はケヴィンについて話す必要がある”はかなり的を得ている。この夫婦はマジで息子について話さねばならなかったのだから...でも聞く耳を持たないフランクリンのせいであのような結果になってしまった。フランクリンは自業自得か?

聞く耳を持たないフランクリンは訴えるエヴァに”精神科に診てもらったら?”なんていうのだ。世界を飛び回る作家だったエヴァはフランクリンと出会い結婚。やがて予期せぬ妊娠。彼女は自身のキャリアを捨て子供を産む。こんなはずじゃなかったとエヴァは何度も悲鳴を上げるが夫がそれを無視するのだ。

ドラマは時系列に描かれてなくてコロコロと時代が変わる。エヴァが生活のために小さな旅行社で事務の仕事に就く。採用した職場の上司が書かれた職歴に感嘆する。一方で本屋に並んだエヴァの新刊書を見つめるケヴィンのシーンもあった。世界をまたにかけて仕事をしていた女性が子供のせいでそれが出来なくなってしまったわけ。フランクリンという夫は妻の仕事に全く理解を示さなかったというのか、妻が本を書けるような環境を作ってやらなかったのか?不思議だ。なんと冷たい男だろうと呆れた。良い父親だったかも知れないが、妻にとっては最悪の夫である。キャリアを捨てて子供を産み育てるエヴァの心には計り知れない葛藤があったことだろう。それなのに彼女が愚痴をこぼしてもフランクリンは全く聞く耳を持たなかった。庭ではケヴィンと一緒に弓矢を放ってとても楽しげに遊んでいたくせに…

少々ネタバレするが…
結果フランクリンは息子ケヴィンに殺されてしまう。妻をないがしろにした夫が愛する息子に殺されたって気もする。ケヴィンは絶対母親を愛していたはず。彼は母親にただ素直に、愛してもらいたかったに違いない。そして母親も息子も愛することに対して不器用だったのかも知れない。

クール(冷たい)なイメージのティルダ・スウィントンと、妖しいまなざしのエズラ・ミラーが母&息子にぴたりとハマっている。ティルダ・スウィントンはお気に入り女優の一人。普通じゃない役を演じるとキラリと光る彼女…やはり光っていた。
エズラ・ミラーが薄ら笑いを浮かべながらあの上目使いのまなざしで弓を射るシーンは強烈。
父親を演じるジョン・C・ライリーはワレ関せずで、「おとなのけんか」の夫役と少々カブってしまった。本作でのとてもずるい男も適役。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2012-07-17 00:05 | UK | Trackback(10) | Comments(4)
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フランクリンは一見物分かりのよさそうな優しい父親に見えますが、子どもの気持ちに沿わない優しさでしたね。全く理解しようとしていませんでした。
「友達家族」が増えつつある中、こうしたパパも実は多いのかもしれません。
Commented by セレンディピティ at 2012-07-19 12:34 x
こんにちは。
いつも拝見していますが、コメントではご無沙汰しています。

以前ご紹介されていた「私が、生きる肌」や「ブラック・ブレッド」
そしてこの「少年は残酷な弓を射る」は見たい!と思いながらも
劇場で見るのはきつそう…と躊躇してしまった作品です。
「少年は~」は(母として)見るのがつらそうと思っていましたが
お話をうかがってちょっとほっとしました。
(この父親には申しわけないですが… ^^;)
DVDになってしまうかもしれませんが、この3作品は是非見たいです。
Commented by margot2005 at 2012-07-23 23:51
rose_chocolat さん、こちらにもコメントありがとう。

私自身息子の母親なので、ちょっとこの母&息子の関係にはめんくらいました。二人のやり取りが白けてるんですもの。

>「友達家族」が増えつつある中...
でも父親はやはり父親でなくては困りますね。
マジでフランクリンは妻からみて最悪の夫だと思いました。
Commented by margot2005 at 2012-07-24 00:02
セレンディピティさん、こんばんは。
いつも見に来てくださってありがとうございます。

>「私が、生きる肌」や「ブラック・ブレッド」
そしてこの「少年は残酷な弓を射る」...
これらはどれも素晴らしい作品でした。
「少年は残酷な弓を射る」は同じ息子を持つ母親として観ていて興味深く、そして子育ては夫婦で...という当たり前のことも再度実感しました。
「私が、生きる肌」は面白かったです。
DVDになったら是非ご覧ください。







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