「サラの鍵」

「Elle s'appelait Sarah」…aka「Sarah's Key」 2020 フランス
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ジュリアに「ルパン/2004」「ブーリン家の姉妹/2008」「ずっとあなたを愛してる/2008」「お買いもの中毒な私!/2009」「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ/2009」のクリスティン・スコット・トーマス。
サラに「Ricky リッキー/2009」のメシュジーヌ・マヤンス。
ジュリアの夫ベルトランに「ずっとあなたを愛してる」のフレデリック・ピエロ。
農夫ジュールに「潜水服は蝶の夢を見る/2007」「アンプロフェット/2009」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」のニエル・アレストリュプ。
ウイリアムに「アンノウン/2011」のエイダン・クイン。
監督、脚本は「美しい妹/2001」のジル・パケ・ブランネール。
原作はタチアナ・ド・ロネの世界的ベストセラー小説“サラの鍵”。
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フランス人、ベルトランと結婚したアメリカ人ライターのジュリアは一人娘と共にパリに住んでいる。ある日、ジュリアは取材で衝撃的な事実を知ることになる。ベルトランの祖父母から譲り受け、住まいにしているアパルトマンは、1942年にパリでユダヤ人迫害によりアウシュヴィッツに送られた家族が住んでいた家だったのだ。そしてジュリアはユダヤ人一家の長女サラが収容所から脱走していたという真実を知る...

まるで「黄色い星の子供たち/2010」の姉妹編のような映画である。
フランス警察によるユダヤ人一斉検挙でヴェル・ディヴに送られ、その後収容所送りとなったが、脱走に成功し生き延びたサラ。
一斉検挙までサラが住んでいた家に移り住んだベルトランの祖父母。そしてベルトランの妻でライターのジュリアは偶然に知ったサラの存在に興味を惹かれ、彼女の軌跡を知るべく奔走する。サラとジュリア…1940年代と21世紀の二人の姿を交差させながらストーリーは進んで行く。

サラは一斉検挙の際、弟を救おうと納戸にとじ込め鍵をかける。10歳のサラは自分はすぐに戻れると信じて疑わなかったのだ。しかしサラは家に戻ることが出来なかった。
やがて連行された収容所で両親と引き離され一人ぼっちになるが、強く生きて行こうと決心する。「黄色い星の子供たち」のユダヤ人少年ジョーを思い出さずにはいられない。

サラは納戸に閉じ込めた弟が気がかりでならなかった。弟に“必ず戻って来るから...。”と約束したから。サラは弟を助けるべく脱走したのだ。親と引き離され弟を救えるのは自分しかないと決心したサラの強さに心打たれる。

ユダヤ人を匿うと罪になるため最初は躊躇していた農夫ジュールも渋々サラを助ける。そしてジュールの妻が心優しい人であり、パリに戻って弟を助けるというサラの願望を叶えてやる。

一方で、ジュリアはもう一人子供が欲しいと願っていた。ある日、妊娠に気づき大喜びで夫に報告するが、夫から返ってきたのは“もう子供はいらない。”という冷たい言葉だった。どうしても子供を産みたいと願い、悩むジュリア。夫との葛藤の間で彼女はサラの足跡をたどることに夢中になって行く。

リサーチによる、リサーチでジュリアはサラが後にアメリカに渡り、結婚し、息子をもうけた事実を突き止める。そして、サラの息子はイタリア、ミラノに住んでいた。ミラノに飛んだジュリアはサラの息子ウイリアムに会いに行く。しかしウイリアムは”母はユダヤ人ではない。”と言い放つ。

かなりネタバレ気味のレビューになってしまったが…ラスト、ニューヨークのレストランでジュリアはウイリアムと再会する。ジュリアの幼い娘を伴って…。あのラストは感動的だった。

ジュリアを演じるクリスティン・スコット・トーマスといえばアンソニー・ミンゲラの「イングリッシュ・ペイシェント/1996」。50歳を過ぎても素敵な女優の一人。ヘレン・ミレンのように、彼女も60歳を過ぎても素敵な女優になりそうな気配。

ウイリアム役のエイダン・クインは「アンノウン」で懐かしかったが、この作品は「アンノウン」以前の作品。

銀座テアトルシネマにて(2/10迄上映)
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by margot2005 | 2012-02-08 22:45 | フランス | Trackback(13) | Comments(0)
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サラの鍵という映画の感想を書きました。図書館とかの個人用の視聴覚ブースみたいなところで観るのがいいと思いますよ!面白かったです。... more
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素晴らしくて見応えのある作品でした。... more
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 『サラの鍵』を銀座テアトルシネマで見ました。 (1)この映画は、以前見た『黄色い星の子供たち』で描かれたのと全く同様の事件(注1)を取り扱った作品で、そちらがかなり実録ベースであるのに対して、こちらはフィクション仕立てになっています(注2)。  そして、そ...... more
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ELLE S'APPELAIT SARAH 1942ǯ7ѥꡣեٻΥͤᤷⶥ ˼ƤߥǼͤƿ 2009ǯפ̼3ͤǥѥ餹ꥫͥ㡼ʥꥹȡꥢ ʥꥹƥåȡȡޥˤϡͭΥѡȤĤƥ ͰȤνޤäȤΤ롣 ֥˥塼衼ޤƮΡפǤ㡼ʥꥹȤĤƥե ʥɥĤ˶Ϥɤβ²̩äƤ椯 ȸߤߤʤ顢衼åѤ뺬ȡǤ Ƥ椯ʹ¸ߤδ˾Ȥ餷ФưΥȤˤϻʳ ...... more
Tracked from 映画とライトノベルな日常.. at 2012-03-29 11:32
タイトル : サラの鍵
★★★★★4.5“二人の女性の人生が時代を越えてつながっていく運命の不思議さに魅せられます” 映画は現代を生きるジュリアと、ヴェル・ディブ事件やその後のサラが交互に描かれています。 ベルトランはジュリアに“家族がアパートに関する真実を知ることを恐れている”と話し、ジュリアにサラのことを調べようとするのを止めるように言います。 第二次世界大戦を体験したパリの人々の間には、“知っていたとしても口にしてはいけない”、“目を向けてはいけない”というような、自らが罪を犯してしまったかのような後ろめたい空気があ...... more
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フランスでユダヤ人が迫害されていたという事実。そういう事実があったことは知ってはいましたが、詳しくは知らなかった自分が恥ずかしいですね。とてもよく出来ている作品でした。 現代、ジャーナリストのジュリアは、夫が祖父母から譲り受けたアパートに、かつてユダヤ人家族が住んでいたことを知る。過去、ユダヤ人一斉検挙の朝、少女サラは弟を納戸に隠して鍵をかける。 「サラの鍵」とは、ユダヤ人の一斉検挙が行われた際、サラが弟をとっさにかくまった納戸の鍵のこと。すぐに帰れると思っていたサラが何気なく取ったこの行...... more
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