「カンパニー・メン」

「The Company Men」 2010 UK /USA
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ボビーに「ハリウッドランド/2006」「消されたヘッドライン/2009」「そんな彼なら捨てちゃえば?/2009」「ザ・タウン/2010」のベン・アフレック。
ジーンに「告発のとき/2007」のトミー・リー・ジョーンズ。
フィルに「リメンバー・ミー/2010」のクリス・クーパー。
サリーに「ワールド・トレード・センター/2006」「サンキュー・スモーキング/2006」「ジェイン・オースティンの読書会/2007」「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝/2008」「50歳の恋愛白書/2009」のマリア・ベロ。
ジェームズに「幸せのポートレート/2005」「あなたは私の婿になる/2009」のクレイグ・T・ネルソン。
ボビーの妻マギーに「レイチェルの結婚/2008」のローズマリー・デウイット。
マギーの兄ジャックに「ダンス・ウイズ・ウルブス/1990」「メッセージ・イン・ア・ボトル/1999」のケヴィン・コスナー。
監督、製作、監督はTVシリーズ「ER 緊急救命室」のジョン・ウェルズ。
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ボストンの大企業GTXの若き販売部長ボビーは、愛する妻と二人の子供に囲まれ幸せな日々を送っていた。しかしある日、彼の勤める会社はリーマン・ショックのあおりを受け大規模なリストラを敢行し、6万人の全従業員のうち3000人が解雇を言い渡され、その中に彼自身も含まれていた。解雇手当として12週間分のサラリーをもらったボビーは早速就職支援センターへ出向き再就職に挑む。しかし不採用の連続で彼は途方に暮れ始める…

中々興味深い人間ドラマで心に残る一作となった。
2008年のリーマン・ショックに端を発した不況の中、37歳にして年収12万ドル稼いでいた男がいきなり解雇される。2008年の為替レートはどのくらいだったか?定かではないが、¥に換算するとまぁ1000万以上の収入であろうか?37歳だとかなりの高給取りである。
郊外の家のガレージにはポルシェが停まり、白壁の館の中には美しく、広いリヴィング・ルームとキッチン。そして子供たちの部屋には娯楽グッズがあふれ、足の踏み場もない。家はモノにあふれ、食事は外食と贅沢な生活を送って来た家族。ところがある日突然収入を閉ざされ、家や車のローンの督促が舞い込み、ゴルフ場の会費も払えなくなってしまう。
簡単に再就職出来ると高をくくっていたボビーは、再就職に挑んでも不採用の通知ばかり。高学歴で、高収入を得ていたエリートのボビーは相当プライドの高い男だったと想像する。この時彼はきっと生まれて初めて挫折感を味わったことだろう。

溶接工からたたきあげで重役にまで登りつめたフィルは勤続30年のベテラン。解雇に納得できないフィルは造船部門のトップに立つ重役のジーンに詰め寄るが彼も解雇通知を受け取っていた。
ボビーが近所にバレないよう失職してもゴルフに出かけたり、“失業が近所にバレないように6時まで帰って来ないで!”と妻にいわれ、バーで時間をつぶすフィルの姿を見ると、人間て世間の評判にさらされるのが辛い生き物なのだと哀しくなる。
しかし重役のジーンの解雇には驚いた。ジーンは最高経営責任者であるジェームズのパートナーだった人。そんな人まできってしまうアメリカの企業には驚く。情けってものはないのかい??
浪費家の妻と、パートナー、ジェームズへのイラだちから人事部門責任者のサリーと浮気を重ねるジーンが可愛い。

結局ボビーは家のローンが払えずに実家に身を寄せる。もちろん愛車ポルシェも売ってしまった。
工務店を経営する義兄ジャックが“仕事を手伝わないか?”と持ちかけてきても最初は“ノー”と断ったボビー。しかし切羽詰まった彼はジャックの仕事を手伝い始める。スーツにネクタイのボビーは力仕事などしたことがない。彼にとって辛い試練だが、妻子を養うためには致し方ない。この辺りも悲哀が漂うのだ。
身につまされるストーリーで観ていて少々辛かったが、このような現実を突きつけられたアメリカ人はたくさんいただろうとお気の毒に思った。日本にも余波来たけど…。

義兄のジャックとボビーはソリが合わず、互いに嫌い合っている。しかし慣れない肉体労働に精を出すボビーに気を配るジャックがニクいのだ。男は黙って行動(密かに支える)するのかと感心する。それにしてもケヴィン・コスナーはなんと大工役にぴったりであったことか。
まさかボビーは大工に転職するなんてことはないだろうな?と案じていたが、やはりそうはならなかった。再生し、新しい出発で迎えるエンディングは鮮やかだ。

ベン・アフレックは作品ごとに素敵になっていくとどこかのレビューに書いた。シブいクリス・クーパーやトミー・リー・ジョーンズを向こうに回し、主演のベンはとても素敵。
ケヴィン・コスナーの老けぶりには驚きを隠せない。一時期“ケヴィン大好き!”だったのに…。
トミー・リー・ジョーンズはたくさんの映画に出演してる息の長い俳優。先だってBSで「ある愛の詩/1970」が放映されていた。トミーは主人公オリヴァーのハーヴァードの友人というチョイ役。トミー映画はシシー・スペイセクが実在のカントリー・シンガーを演じた「歌え!ロレッタ愛のために/1980」でのロレッタの夫役が良かったな。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2011-10-25 23:00 | MINI THEATER | Trackback(10) | Comments(0)
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