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「ツリー・オブ・ライフ」

「The Tree of Life」 2011 USA
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オブライエンに「イングロリアス・バスターズ/2009」のブラッド・ピット。
ミセス・オブライエンにジェシカ・チャスティン。
ジャック(中年)に「イン・トゥ・ザ・ワイルド/2007」「ミルク/2008」のショーン・ペン。
祖母に「ブラック・ダリア/2006」のフィオナ・ショウ。
長男ジャックにハンター・マクラケン。
次男R.L.にララミー・エップラー。
三男スティーヴにタイ・シェリダン。
監督、脚本に「ニュー・ワールド/2005」のテレンス・マリック。
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かなり前に観た映画で、レビュー書くのはやめておこうと思っていた。しかし某新聞のデカイ映画宣伝のページに“早くもアカデミー賞の呼び声高く!”なんて記事発見。カンヌ映画祭パルムドール受賞作品(2011)だったし、なんて思いながら…。

“力こそ成功の道だ…”と信じる厳格な父親と、盲目的な愛で子供たちを包む母親。

“生き方には2つある…世俗に生きるか、神に委ねるか、どちらか選ばなくては…”と…父親と母親は全く違った生き方(考え方)の持ち主。そんな二人に育てられる子供ってとても困惑するのではないだろうか?“ぼくの中で二人が争っている。これからもずっと…。”と感じる長男ジャックは父親と、母親の間で常に葛藤を覚えていたに違いない。

マリック映画は過去に「天国の日々/1978」と「シン・レッド・ライン/1998」を観た。「ツリー・オブ・ライフ」は素晴らしい!映像美であったが、今から思えば「ニュー・ワールド」の映像も美しかったことを思い出す。「ニュー・ワールド」もテレンス・マリックの世界だったが、本作はスゴい!とにかく映像がめちゃめちゃ美しい!!のだ。そしてmusicも。

しかしながらあまりにも哲学的、あまりにも宗教的で、ビッグバン、マグマ、海藻、くらげ、そして川にダイナソーが出て来たあたりから、このような展開で大丈夫か?なんて思い始めた。そういや、前の席に座っていた男性は、席を立ったまま戻って来なかったな。
わたし自身はダイナソー出現の頃は寝そうだったが、その後オブライエン一家の物語が始まり、映画に集中した。

庭で長男と一緒の折、隣の家との境界線にやたらこだわる父親。そして息子に“隣の家は遺産相続で金持ちだ。”などと恨みがましい言葉を吐く。そうオブライエンは偏見を持つイヤミな男なのだ。ブラッド・ピットは小心者のくせに、やたら妻や子供たちに威厳を保つ怖い父親役を好演している。
ミセス・オブライエン役のジェシカ・チャスティンが素敵だ。
オーディションで選ばれた3兄弟役のボーイズも素晴らしかった。

映画を観る前ブラッド・ピットとショーン・ペンが親子??そんなの??と思っていたら、ペンは中年になったジャックを演じ、その頃父親は結構な年になっていただろうが、おじいさんの姿は見せず、終盤は若いままのオブライエン夫婦と、若きジャックと、亡くなった次男と末息子、そこに中年のジャックが溶け込んで…ラストのビーチのシーンは神秘的で素晴らしかった。

映像はとても美しく、オブライエン一家のストーリーも興味深かったが、テレンス・マリックの世界はあまり好みではない。
2時間18分と上映時間は長かったが、美しいマリックworldが全体の20%、いやもっとあったかな?

丸の内ルーブルにて
by margot2005 | 2011-09-11 00:34 | Comments(0)