2011年 02月 22日
「ザ・タウン」
監督、共同脚本、出演(ダグ)に「ハリウッドランド/2006」「消されたヘッドライン/2009」「そんな彼なら捨てちゃえば?/2009」のベン・アフレック。
フローリーに「地球が静止する日/2008」のジョン・ハム。
クレアに「フロスト×ニクソン/2008」「それでも恋するバルセロナ/2008」のレベッカ・ホール。
ジェムに「ジェシー・ジェームズの暗殺/2007」「ハート・ロッカー/2008」のジェレミー・レナー。
クリスタに「ニューヨーク、アイラヴユー/2008」「50歳の恋愛白書/2009」のブレイク・ライヴリー。
ビッグマックに「カポーティ/2005」「あぁ、結婚生活/2007」「アメリカを売った男/2007」「ニューヨーク、アイラヴユー」のクリス・クーパー。
ファーギーに「ナイロビの蜂/2005」「あの日の指輪を待つきみへ/2007」 「タイタンの戦い/2010」のピート・ポスルスウェイト。
ボストン、チャールズタウンで生まれ育ったダグは、刑務所にいる父親の後を継ぎ、強盗を“ファミリー・ビジネス”としている。
ある日、ダグと仲間たちはいつものように用意周到の後銀行を襲撃する。しかし逃走の際やむなく支店長のクレアを人質に取ってしまう。やがて解放したクレアはダグたちと同じ街の住人であることが分かる。自分たちの正体を知られたかも知れないと不安にかられたダグは探りを入れるためクレアに近づいて行く...
「そんな彼なら捨てちゃえば?」のレビューに“ベン・アフレックは年々素敵な俳優になって行く…”と書いた。今回も素敵な俳優と共に素晴らしい監督のアフレックに出会った。監督デビュー作「ゴーン・ベイビー・ゴーン/2007」はwowowで放映の際観たがあまり面白くなくて途中で挫折してしまった。今一度見てみるかな?
単なる銀行強盗の物語ではなく、銀行を襲撃した際出会った支店長のクレアが好きになってしまうというあり得ない展開が面白い。もちろん彼女は彼が襲撃犯人とは知らないが…。アクションと人間ドラマを上手く融合させ観るものを夢中にさせる。強盗を繰り返すダグとその仲間。執拗に彼らを追いかけるFBI捜査官フローリー。描き方がとてもリアル。
某新聞の映画評でも“アフレックの多彩凝縮”と大絶賛している。上にも書いたように引き込まれる展開は素晴らしいが、少々突っ込みを入れると...映画のオープニングにも登場する“全米屈指の強盗多発地区、ボストンのチャールズタウン。”という解説。ボストンてハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、そしてラドクリフカレッジと優秀な大学が存在する学園都市。そこが全米屈指の強盗多発地区といわれても想像すら出来ない。映画は一昔前の出来事なのかな?とも思った。
ダグがクレアに近づき、誘いに簡単にノってしまう展開は少々疑問だった。トラウマを抱えたばかりの女性が見ず知らずの男の誘いにあんな簡単にノってしまうとは考えられない...それもコインランドリーでなんて。そして人質にされた時目隠しをされていたクレアはダグの声を覚えていても不思議ではない。ラストのダグもあまりにも上手く行き過ぎで、あり得ない展開だったが、全体的なストーリーはとても見応えがあったと思う。あのお面とシスターの衣装はよく考えたものだ。
出番は少ないながら塀の中のビッグマック役のクリス・クーパーと、花屋の黒幕ファーギー役のピート・ポスルスウェイトは言わずもがなの存在感。
ジェレミー・レナーは「ハート・ロッカー」も素晴らしかったが、強盗役にもいたくハマっている。
共に労働者のダグとジェム。どちらもなくてはならない存在の親友ながら、二人は別の人生(一人は死んでしまうが…)を歩き始める。観た後、「グッドウィル・ハンティング/旅立ち/1997」で、マット演じる天才青年ウィルとベン演じる無学な労働者チャッキーのコンビを思い出した。どちらも舞台はボストンである。
ワーナー・マイカル・シネマズ板橋にて