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「クリスマス・ストーリー」

「Un conte de Noël」…aka「A Christmas Tale」2008 フランス
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母ジュノンに「キングス&クイーン/2004」「ストーン・カウンシル/2005」「隠された日記 母たち、娘たち/2009」のカトリーヌ・ドヌーヴ。
父アベルに「キングス&クイーン」のジョン・ポール・ルシヨン。
次男アンリに「アデル/ファラオと復活の秘薬/2010」のマチュー・アマルリック。
長女エリザベートに「灯台守の恋/2004」「愛されるために、ここにいる/2005」「華麗なるアリバイ/2007」「潜水服は蝶の夢を見る/2007」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のアンヌ・コンシエ。
三男イヴァンに「ブロークン・イングリッシュ/2007」のメルヴィル・プポー。
イヴォンの妻シルヴィアに「ゼロ時間の謎/2007」「美しい人/2008」のキアラ・マストロヤンニ。
エリザベートの夫クロードに「キングス&クイーン」「パリ、ジュテーム/2006」「ユキとニナ/2009」のイポリット・ジラルド。
アンリのガールフレンド、フォニアに「キングス&クイーン」「ココ・アヴァン・シャネル/2009」のエマニュエル・ドゥヴォス。
クロード&エリザベートの息子ポールに「夏時間の庭/2008」のエミール・ベルリング。
ジュノンの甥シモンにローラン・カペリュート。
監督、脚本に「キングス&クイーン」のアルノー・デプレシャン。
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アベルとジュノン夫婦はフランス北部の街ルーベに幸せに暮している。しかしある日ジュノンが白血病に冒されていることが発覚する。やがて彼らの元に長女エリザベート、三男イヴォンがそれぞれの家族を伴ってやって来る。そして絶縁状態だった次男アンリもガールフレンドを連れ登場する...

重い病気に冒された母親の元に集まった子供たちとその家族。母ジュノンの病気は数十年前に亡くなった長男ジョゼフと同じ白血病だった。ジョゼフは助からなかったが、骨髄移植によってジュノンを救おうと立ち上がる子供たち…孫ポールも含めて。
数十年前、自分たちの骨髄が適応しないと分かり、ジョゼフを救うためにアンリをもうけたアベルとジュノン。しかしアンリの骨髄はジョゼフと一致せず命は救えなかった。それ以来彼は”役立たず”の烙印を押されてしまう。
兄弟(姉妹)の骨髄移植は「私の中のあなた/2009」でも登場していた。
病気の母親の元に集まった子供たち…こちらは「幸せのポートレート/2005」のテーマでもあった。
母ジュノン役のカトリーヌ・ドヌーヴを始めとして華麗なるフランス人俳優競演のストーリーはとても奥深く見応えがあった。
嫌われ者の次男を演じるマチュー・アマルリックと、彼を徹底的に嫌う長女役のアンヌ・コンシエが光っている。

10代の孫を持つアベルとジュノンは今でも深く愛し合い幸せな日々を送っていた。
でも子供たちは…劇作家のエリザベートは仕事の上でも、繊細な心を持つ一人息子ポールのことでも悩みは隠せない。アンリは今だ亡くなった妻の影を引きずって生きている。そしてイヴォンは今だシルヴィアを愛しつづける従兄弟の存在を知っており、その密かな愛に気づくシルヴィア。
フランス北部の街ルーベを舞台に、クリスマスに集う家族の愛や悩み(寂しさ/不安)が交差するヒューマン・ドラマで大満足だった。

「今でもわたしがキライ?」「ずっとキライだ」「わたしもよ」といつまでたっても歩み寄れない母ジュノンと息子アンリの辛辣な会話が心に残る。しかし骨髄がマッチし、ジュノンにそれを提供するのはキライなアンリという結果がまた面白い。
両親の家で6年ぶりに再会したエリザベートとアンリは大げんかをする。結局アンリはジュノンともエリザベートとも和解出来てなさそうと感じたがあの後彼らはどうなるのだろう?

カトリーヌ・ドヌーヴは毎回エレガントでゴージャス。彼女の実の娘キアラとの共演作は初めて観た。シルヴィアを少々嫌っている(可愛い三男イヴォンの嫁だからか?)ジュノン。二人の会話は殆どなく、目も合わさないのが可笑しかった。

恵比寿ガーデン・シネマは来年1月29日に休館になる。また一つミニシアターが消えていくのかと思うととても寂しい。ここでは多くのフランス映画を観て来た。最後の映画は先だって観たウディ・アレンの「人生万歳!」。

キリスト教国ではないけれど都内のあちこちではクリスマスのイルミネーション真っ盛り。恵比寿は映画を観る目的以外には殆ど行かないスポットなので、とても神秘的なこちらのクリスマス・イルミネーションは今年で見納めかも知れない。
Commented by 日本インターネット映画大賞 at 2010-12-27 00:24 x
突然で申しわけありません。現在2010年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票は1/20(木)締切です。ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
なお、twitterも開設しましたので、フォローいただければ最新情報等配信する予定です。
Commented by Bianca at 2011-01-09 12:11 x
骨髄移植の為にわざわざ子供を作るんですね。「私の中のあなた」もそうでしたが。しかも適合しないと「役立たず」なんて、ヒドイ話。辛らつなやり取りといい、肉親の間で残酷なことが起きるってイヤですよね。
Commented by margot2005 at 2011-01-15 23:59
Bianca さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
>骨髄移植の為にわざわざ子供を作るんですね...
そうなんですね?なんか私にはとても出来ないことですね。
舞台はフランス、フランス人。辛辣でしたが、以外にさばさばとしていて、やはり国民性でしょうか??
by margot2005 | 2010-12-19 22:09 | Comments(3)