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「ブロンド少女は過激に美しく」

「Singularidades de uma Rapariga Loura」…aka「Singularités d'une jeune fille blonde」「Eccentricities of a Blond Hair Girl」2009 ポルトガル/スペイン/フランス
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監督、脚本は「コロンブス 永遠の海/2007」「ノン、あるいは支配の空しい栄光/1990」のマノエル・デ・オリヴェイラ。
マカリオにリカルド・トレバ。
ルイザにカタリナ・ヴァレンシュタイン。
列車で隣合わせるレディにレオノール・シルヴェイラ。
叔父フランシスコにディオゴ・ドリア。
ルイザの母ヴィラサ夫人にジュリア・ヴイゼル。
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リスボンに住む会計士のマカリオは長距離列車で隣合わせた見知らぬレディに、自身が体験した衝撃の恋物語を語り始める。
それはマカリオが、向かいの建物の窓辺にたたずみ、こちらを見つめる美しい娘に一目惚れしてしまったこと。彼女に想いを打ち明け了承された彼は夢心地で叔父に報告する。しかし二人の恋を猛烈に反対した叔父はマカリオを事務所から追い出してしまうだった…

TOHOシネマズ・日比谷シャンテで上映される映画は好みの作品が多いので、上映映画のほとんどを観ている。で、この映画の予告も繰り返し観た。
教会の鐘が夕べを告げる頃、いつも窓辺にたたずむ美しい娘。彼女は手に美しい扇(団扇の方がぴったりの表現だが…)を持ち微笑みを浮かべている。そして彼女をじっと見つめる男…。
予告を観る限り美しいラヴストーリーの雰囲気だった。しかし単なるラヴストーリーではないだろうと予想はしていた。本編が始まり...やはりであった。しかしまさか?あのような展開は想像していなかっただけに唐突なエンディングには驚かされた。
上映時間は64分と短く、あのエンディングはマジで唐突だったが余韻は深く残る。そしてバックに流れるサウンドにも魅了された。

リカルド・トレバ、レオノール・シルヴェイラ、ディエゴ・ドリアたちオリヴェイラ監督の常連が出演している。監督はお年(100歳超えているとは驚き!)なため、気心の知れた俳優だときっとやりやすいのかと思える(勝手の想像)。
その監督の孫リカルド・トレバはさわやかと言う言葉がぴったりの魅力的な俳優で、ルイザに“恋一筋”の初々しくて、優しい男性がとてもマッチしていた。
マカリオの叔父が二人の恋に猛烈に反対したのはなぜ?と思ったが、それはあの結末(マカリオの運命)を予言していたからに他ならない。
邦題からだと“ブロンド少女が過激に美しい”というふうにとれるが、ルイザは過激に美しいだけではないのだ。Internationalタイトルに“エキセントリック”という言葉が使われているように、彼女の異常な行動(奇行)/特異性が問題となってくる。美しい容貌と行動がアンバランスで、哀れさと共に可笑しさをも感じ、思いのほか味わい深い作品だった。

本編上映前にジャン・リュック・ゴダール監督の「シャルロットとジュール/1958」が上映された。14分の短編で、主演は「勝手にしやがれ/1960」でスターになったジャン・ポール・ベルモンド。
Commented by cochi1228 at 2011-01-10 21:56
遅くなりましたがおめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
さてこの作品、どこか狐にやられたような感覚なんですが、
音楽と夕暮れの街の景色が抜群でした。
現在と過去を行ったり来たりしているうちに、時間が溶解したような雰囲気に浸り、この感覚が良かったです。
Commented by margot2005 at 2011-01-16 00:04
cochi1228さん、こんばんは!
こちらこそ遅ればせで今年もよろしくでございます。
狐にやられたとは上手く言ったものですね。
あの展開はホントあっと驚きでありました。
音楽とても良かったですね。ブロンド少女も美しかったですわ。
by margot2005 | 2010-10-25 23:45 | ヨーロッパ | Comments(2)