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「シングルマン」

「A Single Man」 2009 USA
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ジョージに「高慢と偏見/1995」「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ/2005」「秘密のかけら/2005」「いとしい人/2007」のコリン・ファース。
チャーリーに「美しすぎる母/2007」「アイム・ノット・ゼア/2007」「ブラインドネス/2008」「50歳の恋愛白書/2009」のジュリアン・ムーア。
ジムに「マッチポイント/2005」「敬愛なるベートーヴェン/2006」「ウォッチメン/2009」のマシュー・グード。
ケニーに「アバウト・ア・ボーイ/2002」「タイタンの戦い/2010」のニコラス・ホリト。
ジョージの隣人ミスター・ストランクにテディ・シアーズ。
ミセス・ストランクに「そんな彼なら捨てちゃえば?/2009」のジェニファー・グッドウィン。
カルロスにジョン・コルタハレナ。
製作、監督、脚本はトム・フォード。
原作はクリストファー・イシャーウッドの“A Single Man”。
お気に入り俳優の一人で「落下の王国/2006」のリー・ペイスが教授グラント役でワンシーンに出演している。
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1962年、L.A.。大学教授のジョージはある日、ジムの従兄弟と名乗る男性からの電話をうける。それはジムが自動車事故で亡くなったという知らせだった。それ以来、彼はパートナーだったジムを失った哀しみに打ちひしがれ、心を閉ざしてしまう。数ヶ月後、哀しみを断ち切ろうと考えたジョージは自らの人生を終わらせる決意をする。遺書を書き、自殺用の銃も用意した。そして、次の日、いつものように大学で講義し、熱く語るジョージをじっと見つめる青年の目があった…
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とても美しく素晴らしいヒューマン・ドラマで、かなりわたし好みの作品。“ミスター・ダーシー”コリンも今年ジャスト50歳。トム・フォードのスーツを着る彼はとてもゴージャスで、メタボでもなく歩く姿は完璧!
マイベストに入れたいし、コリン・ファース最高!!
そしていつものことながらマシューもとっても魅力的なのだ。
この映画に出て来る男は誰も彼もゴージャスというのはトム・フォードの狙い?

“愛する者を失った人生に、意味はあるのか?”…と自らの死を決意したジョージの前に若くてハンサムな大学生ケニーが現れる。
一方でチャーリーはジョージの元恋人(唯一の女性)で同世代。“Oldman”と呼ぶより“Senior”と呼んだ方がふさわしいかしら?というチャーリーの台詞にジョージは50歳くらいの設定と判断した。そういやジムとの回想シーンでもジョージは“年寄りを労って…”と言っていた。
それにしても最後に大学生を部屋に連れ込むジョージは非常に若い男好きだったのだろう。ジムもそうだし、一時出会うカルロスも若い。

コリンがマシューを見つめるまなざしには唖然!とする。彼らは決してゲイではないだろうが、見つめ合うまなざしがまるで♡型で“LOVE”が存在する。俳優ってやるなぁ!と感心する。
オスカー主演男優賞にノミネートされたコリン・ファースは役柄にハマりに、ハマり、マジで素晴らしかった。結果はジェフ・ブリッジスだったが、私的にはコリン・ファースに輝いて欲しかったな。(ヴェネチア国際映画祭最優秀男優賞受賞)。
お気に入り俳優マシュー・グードは「情愛と友情/2008」でもベン・ウィショーとゲイっぽい関係を演じていたが、これではストレートのゲイ役で、彼のコリンを見るまなざしはゾクッとするほど妖しくてクラクラ来る。
ジュリアン・ムーアは退廃的な人間を演じると光る女優だ。あの時代の、あの濃い目周りメーク…酔いながら拡大グラスで必死にメイクする姿は哀れを誘う。
チャーリーと対照的な女性ミセス・ストランクの存在はこの映画の中での一服の清涼剤。演じるジェニファー・グッドウィンが良い味出している。ジョージにとってはウザいストランク家の子供たちの存在も忘れてはならない。
大学生ケニーに扮するニコラス・ホリトは「アバウト・ア・ボーイ」の小生意気な男の子からしっかりsexyな青年に成長していて驚いた。

16年来の関係であるジョージとジム。ジョージが過去を回想するシーンで初めて二人が出会ったビーチのバー。このバーはラスト近くでジョージがケニーと会う場所でもある。16年前に二人が出会った回想シーンは現在とほぼ同じ風貌の彼らで、あれは微妙にまずい?

ジョージがカルロスのことをジミー・ディーンに似ていると言ったり、授業でエルビスの腰(お尻)発言があったり、ジョージのメルセデス・ベンツは正にクラシックカー。女性たちのヘアー&メイクはブリジット・バルドーの世界で、ジョージとチャーリーが踊るシーンはツイストだった。
ケニーのガールフレンドはもろバルドーの雰囲気。

元グッチ&イヴ・サンローランのクリエィティヴ・ディレクターだったトム・フォード。トム・フォードといえばダニエル/ボンドのスーツのデザイナーであり、ブラッド・ピットも顧客という高級メンズ・ファッションのクリエーター。コリン・ファースのスーツのデザインはトム・フォードとエンドクレジットに記されていた。
トム・フォードはかつて俳優を目指していたそうでこれは監督デビュー作品。
デザイナーが監督しただけあって映像が美しくて、美しくて、この上なく美しい!60年代が舞台の映像は時折モノクロになったり、全体的にセピア色っぽいスクリーンに目を奪われる。
美しい映像に合わせた音楽も最高級であった。

都内では六本木と新宿バルト9で公開されていて、もちろん新宿バルト9で観た。このシアターはスクリーンもデカいが音響も抜群で、私的に観たい映画をもっと公開してくれたら嬉しいのだが…。
平日、18:20上映の回、大きなシアターは20%くらいの入りで、男性はちらほら、観客はほぼ女性だった。
Commented by 真紅 at 2010-10-09 16:36 x
margot2005さん、こんにちは~。コメントお久しぶりです。
margot2005さんのお気に入り度がよ~くわかる熱のこもった記事ですね♪
本当に、本当に美しい映画で・・・。溜息モノでした。
リー・ペイスとマシューってタイプが似てませんか?
トム・フォードの趣味なんだな~と思いながら観ておりました。
私もベストに入れたいです!
Commented by margot2005 at 2010-10-11 22:52
真紅さん、こんばんは!
出演俳優も素晴らしければ、映像も、音楽も素晴らしくて、トム・フォードって次回どのような映画を作るのかな?と期待してしまいました。
男性出演者のほぼ全員がゴージャスでしたわね。
隣人ミスター・ストランク役のテディ・シアーズもイケメンでありました。
リーとマシューは確かにタイプ一緒ですね。マシューは今の所一押しの英国人俳優です。
Commented by オリーブリー at 2010-10-17 01:31 x
こんばんは~。

こちらの作品はゲイものと言うより、ミドルエイジの折り返しの哀愁みたいな切なさを感じました。
コリン・ファースの演技は素晴らしかったですが、他の俳優さんたちも皆さん見事に演じきっていたと思います。
Commented by margot2005 at 2010-10-19 23:47
オリーブリー さん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
単なるゲイ映画ではなく素晴らしい人間ドラマの部類に入ると思いましたね。
耽美派と言っても良いくらいのトム・フォードの世界でした。
ホント俳優陣も皆見事でしたわ。
by margot2005 | 2010-10-08 22:23 | Comments(4)