2010年 08月 26日
「アイスバーグ」「ルンバ!」
監督、脚本、出演(フィオナ)にフィオナ・ゴードン。
監督、脚本、出演(ジュリアン)にドミニク・アベル。
監督、脚本、出演(フィオナと逃亡するジョルジュ)にブルーノ・ロミ。
“タイタニック号”のルネ船長にフィリップ・マルツ。
ある日、フィオナは自身が働くバーガーショップの冷凍庫に一晩閉じ込められてしまう。それをきっかけに氷に魅せられたフィオナは家族を捨てて氷山を目指す旅に出る。一方でフィオナの夫ジュリアンは彼女を追っかける旅に出る…
映画のオプニングで"私はイヌクティトゥット語を話せる最後の人間。もうすぐ生まれる子供と、夫にもこの言葉を教えたい。私がどのように夫と出会ったかお話ししましょう・・・"。と語るイヌイットの女性が登場して来る。そしてエンディングではあっと驚くその夫が紹介される。
冷凍庫に閉じ込められたせいで氷に異常反応を感じるなんてよくぞ考えだしたと関心するし、フィオナが氷山へと向かう船は飽きれるほど小さいボートなのに”タイタニック号”と命名しギャグを飛ばしている。氷山ももちろん小道具/張りぼて(上写真)。
”わたしがいなくても何ら変わらない。”と家族に疎外感を覚えた主婦が氷山を目指し家を出る。
突然姿を消したフィオナに全く気がつかない夫ジュリアンと子供たち。しかし妻の不在にハタと気がついたジュリアンはどこまでも、フィオアを追いかける。“もう追ってこないで!”といわれても、ただひたすら追いかける。この辺りはドタバタ喜劇が繰り返される。そしてついにフィオナは無事氷山にたどり着くことが出来た(上写真)。
「Rumba」2008 フランス/ベルギー
監督、脚本、出演(英語教師、フィオナ)にフィオナ・ゴードン。
監督、脚本、出演(体育教師、ドム)にドミニク・アベル。
監督、脚本、出演(ショコラパン泥簿)にブルーノ・ロミ。
自殺願望の男ジェラールにフィリップ・マルツ。
ダンス大会の正にその日、車の事故でフィオナは片足を失い、ドムは記憶喪失に陥る。退院後二人は職場に復帰するが怪しい行動をとがめられ校長より首を言い渡される。その後火事に見舞われ家は丸焼けに。そんな折、朝、パンを買いに行ったドムは家への帰り道が分からず、来たバスに乗ってしまう。おまけに乗り合わせたバスで、パン好きな男に襲われショコラパンを奪われてしまう。しかし途方に暮れるドムを助けたのは自殺願望の男ジェラールだった...
道路に立つ自殺願望の男が死ねなくて、その男をよけたばかりにドムとフィオナが事故に巻き込まれる。ダンス大会でルンバを踊れば必ず優勝するドムとフィオナ。そして義足になってしまったフィオナ。
家が火事になる原因はフィオナの義足に火がついたため、と、ブラックな展開に観ていてびっくりしながらも、「アイスバーグ」もこちらも“ラヴ・ストーリー”なのだ。「アイスバーグ」同様ハッピーなエンディングが良い。
車椅子のフィオナとドムが、まるでパントマイムのように映るダンスを披露するシーンは圧巻。
ユーモアや自虐ネタ+皮肉混じりのギャグで構成されるスーパー・ラヴ・コメディ二本立て。
どちらもチャーリー・チャップリンの無声映画を観ているよう。まぁ無声映画ではないのでもちろん少々の台詞(ギャグ満載)はある。しかし台詞よりも顔と身体が多くを語るのである。“シュールな笑い”と肉体を駆使する元道化師たちは半端じゃない。
TOHOシネマズ日比谷シャンテにて
何故でしょうね(笑)
終わると、妙に含蓄がある映画のように見えてしまうのも不思議です。
この笑いのテイストは他では絶対に観れないですよね。 唯一無二。
全くもっておばかなストーリーでしたが、身体を張っての演技もスゴ過ぎますね。
ラヴ・ストーリーをこんな風に描く彼らの才能に脱帽であります。
このテイストは世界中探しても彼らだけのものでしょうね。