2010年 05月 24日
イタリア映画祭2010...「もうひとつの世界」
カテリーナに「恋愛マニュアル/イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「カイマーノ/2006」「題名のない子守唄/2006」 「対角に土星/2007」のマルゲリータ・ブイ。
エルネストに「カイマーノ」「ジョヴァンナのパパ/ボローニャの夕暮れ/2008」「元カノ/カレ/2009」のシルヴィオ・オルランド。
テレーザにカロリーナ・フレスキ。
監督、脚本に「映画のようには愛せない/私が望む人生/2004」のジュゼッペ・ピッチョーニ。
終生誓願を11ヶ月後に控えた修道女カテリーナは、ある日公園で新生児を拾う。小さなクリーニング店を経営するエルネストは口やかましい経営者ゆえ従業員から疎まれ、経営にも、自身の健康にも不安を抱かえている。そして家庭不和から家出した少女テレーザは警察官の恋人の元に身を寄せ新しい生活を始めようとしていた…
舞台はミラノ。なんの接点もないカテリーナ、エルネスト、テレーザの3人が、公園に捨てられた新生児によって交差して行く。
カテリーナが預かり、病院へ送った新生児が包まれていたセーターにはエルネストの店のタグがついていた。カテリーナはエルネストに接触し、二人はセーターから手掛かりを見つけ出す。
エルネストはひょっとして自分の子供かも知れないと思い始め、カテリーナは赤ん坊に会いに行くたびに母性愛が芽生え、このまま子供も持たないで生涯を送って良いものか自問する。カテリーナは赤ん坊を引き取り育てたい欲望に負けそうになるが、誓いを破ることはなかった。
家族のいないエルネストは次第に自分の子供であったらと願い、カテリーナと出会ったことにより彼の頑なな心も解けて行く。怒りっぽかったエルネストが終盤近くでは顔つきまで優しくなっていて、演じるシルヴィオ・オルランドは上手い。もちろんマルゲリータ・ブイも。
「映画のようには愛せない/私が望む人生/2004」はお気に入り映画。同じ監督だったとは...。
朝日ホールにて