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イタリア映画祭2010...「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/勝利を」

「Vincere」2009 イタリア/フランス
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イーダ・ダルセルに「向かいの窓/2003」「心の中の獣/2005」「コレラの時代の愛/2007」のジョヴァンナ・メッゾジョルノ。
ベニート・ムッソリーニに「重なりあう時/2009」のフィリッポ・ティーミ。
ラケーレ・グイディに「13才の夏に僕は生まれた/2005」のミケーラ・チェスコン。
監督、原案、脚本に「母の微笑/2002」「夜よこんにちは/2003」のマルコ・ベロッキオ。

1907年、トレント。イーダ・ダルセルは社会主義信奉者の青年ベニート・ムッソリーニと出会う。7年後ミラノで再会した二人は激しい恋に落ちる。彼を愛し、彼の思想に共鳴したイーダは、ファシスト党機関紙となる“ポポロ・ディタリア”創刊の資金に自身の持つ全ての財産を用意する。やがて、二人は結婚し息子が生まれベニートと名付けられる。しかしムッソリーニにはラケーレと言う愛人がおり、彼との間には子供までいた。イーダは正式な妻であり、彼の実子の母親であると主張するが、権力の階段を駆け上がるムッソリーニの足手まといとなる母子は警察の管理下におかれ、精神に異常を来たしたイーダは病院へ収容される。一方で、姉夫婦に預けられていた息子ベニートも寄宿学校に送られてしまう…

イタリア人でさえ知る人が少ないと言うイーダ・ダルセルの半生。ムッソリーニに隠し子がいて、その母親は彼のせいで壮絶な人生を送らざるを得なかった。母親は50代、息子は20代でそれぞれの人生を閉じている。
“英雄色を好む”じゃないけど、ムッソリーニは女好きだったに違いない。そんな彼をまるでストーカーのように追い回したイーダ。イーダを演じるジョヴァンナ・メッゾジョルノはスゴい形相で決して屈服しない狂気の女を熱演している。収容された精神病院の門を裸足で上るシーンは凄まじい。
フィリッポ・ティーミは「重なりあう時」とは別人で、成人したベニートも彼が演じている(ムッソリーニ親子はそっくりだったと言う)。
実写のムッソリーニと、ティーミ演じるムッソリーニの演説が交差する。もちろんイタリア人俳優フィリッポ・ティーミのほうがいい男だが、ムッソリーニとダブって見える彼の鬼気迫る演技にはメッゾジョルノにも負けず、劣らずスゴいの一言。
by margot2005 | 2010-05-18 23:37 | 映画祭 | Comments(0)