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イタリア映画祭2010...「重なりあう時/時の重なる女」

「La doppia ora」…aka「The Double Hour」2009 イタリア
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ソニア(ソーニャ)に「題名のない子守唄/2006」のクセニア・ラバポルト。
グイドに「対角に土星/2007」のフィルッポ・ティーミ。
ソニアの友人マルゲリータにアントニア・トルッポ。
武装強盗団の首謀リッカルドにガエターノ・ブルーノ。
監督にジュゼッペ・カポトンディ。

スロベニアからやって来たソニア(ソーニャ)はトリノのホテルでハウスキーパーとして働いている。一方で元警官のグイドは郊外にあるリッチマンの別荘で警備員をしている。二人は“スピードデート”で知り合い互いに惹かれ合う。ある日、グイドは自身が働く別荘にソニアを連れて行く。静かな森に囲まれ至福の一時を過ごすグイドとソニア。しかし幸せもつかの間で、二人は敷地内に侵入した武装強盗団に襲われてしまう…

恋愛ドラマのようにストーリーは始まるが、ほどなくしてグイドとソニアは強盗団に襲われる。やがてグイドは銃弾に倒れ命を落とす。恋人グイドを失ったことから立ち直れないソニアは悪夢にうなされ、起こったことは全て現実なのか?妄想なのか?と精神的に追いつめられて行く。
観ている方も、あれって現実だったの?それともソニアの妄想?とワケが分からない状態であっと驚くエンディング。
ひねりを効かせた面白い展開のサスペンス・ドラマで見応えがあった。
始めからグイドを利用しようと彼に近づいたソニアのしたたかさ。ラスト、空港でソニアに声をかけなかったグイド。それは彼の愛情から来てるのだろうか?しかしながら、ソニアのしたたかで、残酷な心には唖然とした。やはり女は強い。
ソニアを演じたクセニア・ラバポルトは2009年ヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を受賞した。
「題名のない子守唄」でもそうだったが、影のある、暗い役が似合う彼女も、笑うととてもチャーミング。
原タイトルの“重なり合う時/The Double Hour”はぞろ目(ダブルの同じ数字)が並ぶ状態で、例えば時間で言えば“22:22”とか…グイドはそれを幸運と見なしていた。ソニアは彼が幸運と見なす時間を何度か時計で見ることになる。でもそれが二人にとって幸運なのか不運なのかは分らない。ソニアの行動が妄想なのか?現実なのかも分らないのだから…。
by margot2005 | 2010-05-17 01:45 | 映画祭 | Comments(0)