人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「バッド・ルーテナント」

「The Bad Lieutenant: Port of Call - New Orleans」2009 USA
「バッド・ルーテナント」_a0051234_2324507.jpg

テレンス・マクドノーに「ワールド・トレード・センター/2006」「ノウイング/2009」のニコラス・ケイジ。
フランキーに「ザ・クリーナー 消された殺人/2007」「アンダーカヴァー/2007」のエヴァ・メンデス。
スティーヴィー・プルイトに「ドアーズ/1991」「アレキサンダー/2004」「デジャヴ/2006」のヴァル・キルマー。
ビッグ・フェイトに「X-ファイル:真実を求めて/2008」のアルヴィン・“イグジビット”・ジョイナー。
監督は「ミスター・ロンリー/2007」の俳優ヴェルナー・ヘルツォーク。
オリジナル脚本は「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト/1992」のアベル・フェラーラ。
「バッド・ルーテナント」_a0051234_23415117.jpg

2005年、ハリケーン・カトリーナの直撃で刑務所まで浸水してしまったニューオリンズの街。浸水のため逃げ遅れ水につかった囚人を助け出したテレンスは、英雄的行為で表彰される。それにより彼は警部補(ルーテナント)に昇格する。しかし救出の際に痛めた腰痛のせいでドラッグが手放せない身となってしまう。高級娼婦の恋人フランキーと共にドラッグに溺れ、大好きなギャンブルでは借金地獄にも陥っている。職務質問のふりして銃で脅したあげくドラッグをくすね、押収品のそれにまで手を出してしまう。そんなある日、テレンスはセネガルからの不法移民殺害事件の捜査をまかされることになる...

何度も予告を観ていて気になっていた作品。観て大満足のそれは...「リービング・ラスベガス/1995」でアル中を演じてアカデミー賞に輝いたニコラス・ケイジがジャンキーを演じている。幻覚によりわめいたり、いきなり笑ったりする狂気の悪徳警官役が素晴らしい!こういった役を演じると精彩を放つニコラス・ケイジはやはり演技派俳優である。
最近つまらないアクション映画にばかり出ているニコラス・ケイジの映画はもう観たくないと「ノウイング」のレビューにも書いたが、これは絶対ニコラス、ファンを満足させる。ちなみに「ノウイング」以前の作品。彼はシリアス・ドラマがハマる。それも少々狂気を帯びた役柄が似合うのである。

コカイン、ヘロインなんでもOK!真夜中、銃で脅してドラッグを奪い、警察が押収したそれにまで手を出す“バッド・ルーテナント”。
ドラッグのせいで頭痛に悩まされ、幻覚症状が起きると、“机の上にイグアナがいる!”なんて言ったり、生き返った死者がダンスをしたりのブラック・ユーモアも入っている。ニューオリンズが舞台だけにハイウェイ・パトロールの車の側にデカいアリゲーターがのそのそと歩いていた。あれは幻覚それとも現実だったのだろうか?
おまけにこんなとんでもない刑事がキャプテンに昇格する。それはひょっとして腐敗したアメリカの警察の実像なのかとも思えてくる。
刑事スティーヴィー・プルイト役のヴァル・キルマーはまたまた太ってしまった。この方はホント悲しいほど昔のイメージが壊れて行く。
ハーヴェイ・カイテル主演の問題作「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト/1992」のリメイク映画だそうだが、知らないし、観ていない。ハーヴェイ・カイテル版是非見てみたい!
かつてドイツ映画の“ニュー・ジャーマン・シネマ”の一翼を担ったというドイツ人ヴェルナー・ヘルツォークの監督作品は残念ながら観た事がない。それも機会があれば見てみたい。
恵比寿ガーデン・シネマにて
by margot2005 | 2010-03-14 23:48 | Comments(0)